2019.12.12
ノーベル経済学賞のシャープ氏が考える投資アドバイス
Facebookコラム粟津 久乃
ノーベル経済学賞のシャープ氏が考える投資アドバイス
資産運用について真剣に考えよう、と思ったとき、皆様はどうしてますか?
いわゆる『現代投資理論』でノーベル経済学賞を受賞したこの分野の大家でもあるシャープ氏(85歳)が最近のインタビューで述べていることはとても興味深いものです。
質問:様々な投資の選択は、自分で決められるものか?
シャープ氏:選択することは非常に難しい。物理学者でさえも投資の不確実性を本当に理解するのは難しい。投資を決定する際、少なくとも最初の1回はファイナンシャルアドバイザーに相談するのは理にかなっている。中流階級以上は人間のアドバイザーに一度だけでも相談してほしい。
質問:アドバイザーの選択が難しくないか?
シャープ氏:投資アドバイザーも、保険アドバイザーも数多いるが、彼らには手数料インセンティブがあったりするので、特定の商品を勧める傾向が強い。だから、知識はもちろんだが、彼らの報酬体系がアドバイスの内容に影響を与えない人が居ると良いと思う。
シャープ氏はずっと昔から、個人投資家の退職金運用の為のWEB診断サービス(現在のロボアドバイザーの先駆け)を提供したりもしています。意外なことですが、そんな理論とテクノロジーの信奉者である彼が、(投資家と利益が相反しない立場の)人間による投資アドバイスの重要性を語っているのです。
投資についての大きな決断の手助けや、資産運用に関連する様々なトレードオフの関係についての投資家への助言・サポートにはヒューマン的な要素が不可欠で、ロボアドバイザー(機械)だけでは困難であると悟るに至ったのかもしれません。