2020.02.28
今の悪いニュースが将来を予言するとは限らない
Facebookコラム粟津 久乃
『今の悪いニュースが将来を予言するとは限らない』
コロナウィルスの問題で、マーケットは大きく変動しております。マーケットの変動と同じく、運用担当者・役員の感情も揺り動かされていませんでしょうか。不安感があるならば、どういった不安でしょうか?
インカム収入そのものが大きく変わってしまう
元本自体が大幅に毀損し、復元するのに時間がかかるかもしれない
そもそも公益法人の事業を継続するのに困難が生じることが、このマーケットの変動で起きているならば、その運用方法自体を見直した方が良いかもしれません。
もし、良いポートフォリオ運用をしているならば、ただ維持を続ければよいだけです。
投資先の価値が普遍的であるならば、価格変動は受入れ、淡々とインカム収入を得る日々で、いつもの日々と、何も変える必要はありません。
マーケットの変動・世の中の情報で自分の感情を変動させてはいけません。
以前、ある大学法人にて、とても良いポートフォリオ運用をしていたのに、その中の一部の運用実績が悪くなったタイミングで、理事長が変更となり、新しい理事長はポートフォリオ全額売却してしまったケースがありました。
この公益法人は、結果的に、予定していたポートフォリオからのインカム収入を得られず、最悪な時期の価格で資金は戻り、さらには、ここ数年保有していたら、得られたはずだったキャピタルリターンも逃しました。 つまり、ポートフォリオ理論に基づいて投資をしているならば、そのままマーケットにいればよかったという答えになります。
例えばリセッション、と呼ばれる景気後退(平均GDP成長率が四半期連続して低下した場合)は、株式市場にとって厳しい環境であると一般的には考えられています。しかし、意外なことに過去50年間ほどのリセッションをみると、その後、1年以内に、60%%以上の確率で値上がりしています。
今、コロナによる景気減速のニュースを見て、法人の運用自体に不安を抱いる方がいましたら、見直すチャンスかもしれません。意外かもしれませんが、実は金融の専門家と名乗る人たちの予想は当たらないことも多く、傾向や予想というものから、将来の展開はそれ程わからないのです。多すぎる情報に大局を見失わないよう、今一度、こういった事態が起きても、法人の事業が中期計画として、継続可能な投資体制になっているか、是非見直しましょう。
マーケットの普遍的な原理を忘れてはいけないのです。最良の投資手法は、いつの時代にも通用する普遍的なものだと、こういうマーケットの大幅下落局面では、痛感します。弊社のお客さんには、慌てているお客様は全くいらっしゃいません。
次回は、最も優れた投資の考えは、いつの時代にも通用するものである、ということについて語りたいと思います。