資産運用ガイド

確定拠出年金、ideco、投資信託、資産運用のアドバイザー

価格変動の理屈がわかれば資産運用は易しくなる(債券編)

time 2017/03/03

資産運用で最も難しいのは価格変動とどう付き合うかではないでしょうか?

誰しも購入した投資信託が値下がりしたら気分が良いものではありませんよね。でも、価格変動の理屈が理解できれば投資信託とのお付き合いの仕方も少し楽になるかもしれません。

金融リテラシークイズを既にやったかたはこのまま読み進んでください。

まだの方は、まずはこちらへ。

では続けますね。

このサイトでは投資とは

「今すぐ使わないお金を、誰に、どのような約束で貸すのかを決めること」

としています。

お金の貸し借りの約束の復習です。

Dさん:毎年元利金を返す。保証人、担保付き=預金

Eさん:元金据え置きで利息だけ毎年返済。保証人、担保なし=債券

あなた:約束無し、うまくいったらたっぷりお礼=株式

10年の約束でお金を貸していたEさんですが、5年目に急にお金が要ることになりました。

あなたがEさんならどうしますか?

1.貸してあげているCさんに事情を言って早期返済してもらう

2.他から借りる

3.借用証書を他の人に転売する

1は難しいですよね。このお金についてCさんは、10年間は利息しか返さなくてよいつもりで事業計画をしています。「10年返さなくてよい、ということで計画しているのに、急にそんなこと言われても困ります」、ということですね。

2はいかがでしょうか?手段としてはあり得ますよね。では、どのような時に2を選ぶでしょうか?これは後ほど検討しましょう。

3についてはいかがでしょうか?転売なので買う人がいないと成り立ちません。では、どのような条件なら買う人がでてくるでしょうか?

例えば、5年前に貸した時の金利が5%だったとしましょう。しかし今は5年前より世の中の金利が上がり7%になった。

Eさんからもともと100万円だったからその金額で買ってくれないか?と言われたらあなたはどうしますか?100万円で買い取りますか?それとも。。。

100万円でこの借用証書を買い取った場合のお金の流れ。単純化するため複利、再投資は無視します。

100万をEさんに支払いCさんへの借用証書を買い取った
1年目 5万円
2年目 5万円
3年目 5万円
4年目 5万円
5年目 5万円    プラスCさんから100万円

つまり25万円の利息と期限に100万円になります。増えた金額は25万円です。

ではEさんのCさんに対する借用証書を買い取らずにその100万円を別のXさんに現在の世の中の金利相場の7%の利息で貸した場合のお金の流れはどうなるでしょうか?XさんとCさんの信用度は同じとします。

Xさんに100万円を貸す
1年目 7万円
2年目 7万円
3年目 7万円
4年目 7万円
5年目 7万円   Xさんから100万円返ってくる

35万円のお金が殖えました。

これだとEさんからCさんへの借用証書を買い取るよりXさんに貸したほうがよさそうですね。

では、あなたはいくらならEさんから買い取っても良いと考えますか?

90万円ならどうでしょうか?

90万をEさんに支払いCさんへの借用証書を買い取った
1年目 5万円
2年目 5万円
3年目 5万円
4年目 5万円
5年目 5万円  プラスCさんから100万円

利息の合計は25万円。最初にEさんに支払った90万円が100万円で返ってくるのでプラス10万円、合計35万円になり、今の世の中の相場である7%と同じになります。

これなら売る人にとっても買う人にとっても文句がでない条件になりますよね。

この例は債券、つまり満期の時期と利息が決まっているので計算をすれば誰でもが納得できる取引価格になります(Cさんの信用度は今回は無視)。

つまり価格変動とは、

誰に、どのような約束で貸しているかが明記された借用証書の現在時点での流通価格(転売したい人と買い取りたい人双方が納得している価格)が、最初に貸した時の条件(金利や信用度)と違ってくることによっておこる

ということができます。

いかがでしょうか?このように考えればよほどのことで無ければ日々のニュースを気にする必要がないという風に思えるのではないでしょうか?