2017/03/30
「一つの籠に卵を盛るな」という西洋のことわざがありますが、一般に、大切な資金を安全かつ効率的に運用するためには、特性の異なる複数の資産に分散して投資を行うことが適切であり、効果的であることが国内外の経験則や投資理論から明らかにされています。
すなわち、債券や株式のように、収益率の動きが異なる複数の資産に適切に分散して投資を行うことにより、長期的には、同じ収益率を見込む場合でも、よりリスクを抑える(収益率の変動幅を小さくする)ことができるということです。
一般に分散投資の意義については上記のように言われています。実は、上記は年金積立金管理運用独立行政法人からの抜粋です。
この理論は何も日本の年金だけでなく、組入れ資産の種類や割合に違いはあっても資産運用の世界のグローバルスタンダートといわれています。
ちなみに世界でももっとも効果的に資産運用をしているといわれているアメリカのエール大学でも同様の考え方に基づいています(エール大学の運用報告書)。
しかしながら最近は各国の株式市場が同じ動きをする傾向が強くなってきていたり、国内の株式と債券は異なる値動きになることが多いのですが、外国債券と国内株式は為替の関係で同じ方向性になることも多くなってきました。
では、なぜ分散投資なのでしょうか?
人間は目の前で起こることを理解しようとして上記のような理論を構築しますが、結局のところ将来がどうなるかわからないのです。であれば、プラスのリターンがある資産(利息や配当など)を複数の種類持っていることが結果的に成果に結びつくと考えておけばよいと思います。